2016年 07月 01日
海外に暮らす女たち ~ イタリアからイタリアへ 内田洋子 ~
予約していた本の取り置き期限ぎりぎりで、新刊本の購入希望予約だったから、ぜひともと。
新規に購入して準備いただいたので、大事に読む。しおりもまだクルリっと丸まって挟まっている。
どこかの書評で見つけて予約したのだと思うけど、どこでだったのか、どんな書評だったのかはすっかり忘れている。でも予約したからには、きっと何かピンとくるものがあったに違いない。
新鮮な気持ちでページを繰った。
筆者の奥付をみるとわたしと同じ年齢。
同時代を生きてきたといいうだけで、急に親近感が沸いて、自分の年を重ねながら読み進んでいたよ。
海外に暮らす女性のこうした随筆を読むたびに、私にはもうそれだけですごく尊敬してしまう。
長いこと夫のお伴で海外に暮らしてはみたけど、そんなお気楽な外国生活とはもちろん天と地。
多くの海外で暮らす日本女性は、まずは語学のスペシャリスト。
外語大のイタリア語出身。ナポリへの留学、そしてイタリアでのビジネス。本当にかっこいいったらないよね。
イタリアには、須賀敦子さんというすごい人もいるし、塩野七生さんもいる。
この筆者は、現地のスクープ写真や記事を日本に紹介するビジネスをしている人なのだけど、だからこそ、深く現地のことを知る視点や、経験が広くて、どの章を読んでも、かっこいいなぁとため息ばかり。
フェラーリの赤色の話、イタリアの南北格差なんていうのも初めて知ったり、船も買って入り江に船を宿にして暮らすくだりの、海の男のボーイフレンドとの交流などは、はぁ~どんなに素敵なんだろうと、自分には絶対できないような経験。
ラテンの国で思いどうりに物事が進まないようすに、ビジネスも生活もあれば、それはそれは大変であったろうと容易に想像はつくものの、たくましいというか、辛抱強いというか、女性というのは、かくもしなやかに柔軟に生きられるのだなぁとまたまたため息でした。
それにしても、かっこいい。
10日ほど前に足の小指にスマホを落として見事に骨折してしまった。
3時間も整形外科で待たされていたあいだに、じっくり読んで、なんどもため息をついてしまったら、隣のおばあさんに覗き込まれてしまったよ。
こういう女性、実は、私の周りにいっぱいいるんです。海外で本当にかっこよく生きている女性たち。
いい本に出会ったというよりも、すごく素敵な女性に出会った気分になりました。
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