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本屋めぐり かもめブックス ~東京・神楽坂~

 また、東京です。
今年も20回目の東京~名古屋往復になったよ。新幹線代金をざっと計算してぞっとしてます。
まだあと3往復はする予定。辛くなってきましたよ、行ったり来たり生活が。

 しばらくコラム書きの仕事に没頭していました。
原稿の締め切り期限は、すごく怖いので、いつもだいたい締め切り日の1週間くらい前に入稿を済ませるのです。
だから編集者さんにはとても気に入られてます。
そのせいで、赤入れの戻しがどれほあっても、こっちも余裕で過ごせます。編集者さんが、ギリギリに赤入れを返してきて「す、すみません。明日あさイチで戻せますか?」と泣きつかれることもあるくらいです。

 これはすべて、お片づけ的な私の性格で、物事を前倒しに進めるというせっかちさからのことね。
よくおしりに火がつくまでできません。という人に会うと、なんて太っ腹なんだろうと感心してしまう。
時間との闘い、小心者で、ぎりぎりの時間で行動するのが物凄く怖くて、強迫観念さえ感じるタイプには、神にも思えてしまいます。

 編集や校正の仕事って大変なんだろうなぁと、締め切り時間との戦いに弱い私は、心臓がドキドキしてしまいそうです。
 そんな校正、校閲の会社が運営している神楽坂のかもめブックスへ。
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時間調整で、地下鉄を降りて、早稲田方面の出口からでたらそこにある書店。前から行きたかったんです。
インパクトのある蝶ネクタイで、カーリーヘアーの有名な店長さんのいるお店。カフェもあるよ。

 セレクト本屋というよりは、本読みがビギナーかな?という人向けの新刊書がメインの本屋さん。
よく言われる本好きをうならせる「文脈棚」みたいな、ずいぶん前に出版されたけど、書店員さんの肝いりで、このジャンルには、こんな関連本もあるのねという掘り起こしの本のラインナップではないのね。「働く女性」とか、「フランス、パリ」とか、「「人生を考える」とかのテーマが棚に小さく貼られているのが楽しいよ。
 テーマごとになかなか面白い新刊本を集めていらして、「東京散策」の棚の「休みをとってでも行きたい問屋街さんぽ」とか、「て・づ・く・り」の棚の「うれしい手縫い (読む手しごとBOOKS)」なんていう裁縫の糸の会社「ダルマ家庭糸」の本は、じっくり立ち読みさせていただいたりしちゃいました。

 大人になってつくづくよかったなぁ~と思うのは、読みたいコミックをどーんとまとめ買い(おとな買い)できること。このくらいの財力と、勢いを持ち合わせるおとなでよかったわ。
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目がしょぼしょぼして活字が追えなくなってそれでも何かを読んでいたいという時に読んでます。
[まとめ買い] 吉祥寺だけが住みたい街ですか?(ヤングマガジンコミックス)や、繕い裁つ人 コミック 全6巻完結セット (KCデラックス)
そんなときは、もう寝ちゃえば!って思うのだけど、寝つきが悪い私はベッドに入ってからも、手から本が滑り落ちるまで眠れないんだよね。秋の夜長は時間がたっぷりあるし。

 気になると関連本をまとめて読みます。(以下は図書館で借りた本)
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先日行った昭和のくらし博物館の館長、昭和の生活史の研究家でもある小泉和子さんの本を県立図書館でどーんと。
3問、5問にあるので、いつもの文芸書の階とは違うところで、こういう研究の本は、県立図書館の所蔵がいいね。
昭和なくらし方 (らんぷの本)や、昭和の家事:母たちのくらし (らんぷの本)
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 本屋めぐりに、総記の0問「024」読書案内のあたありで、こんな本も借りてきた。秋のさんぽの帰り道の書店めぐり参考にしよう。
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 この秋の文芸は、津村記久子&中澤日菜子ワールドにはまってます。
おせんべいと、番茶、そして本があれば至福の時間がいくらでも過ごせるんです。
いっぱい書いたあとは、いっぱい補充が必要なんですね。4枚(4館)の図書館カードをフル活用してます。




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by yukkescrap | 2016-10-25 10:22 | 好きな本スクラップ | Comments(2)

読書の秋に 「るきさん」 高野文子ワールド

 秋の夜長とはよく言ったもので、晩ご飯を食べ終わると、すっかり日も落ちて虫の声を聴きながら、窓をちょっと開けてお月さんを眺めます。その窓辺で本を読む。
 子どものころから、この季節のこの時間が一番好きな読書タイムです。

 この秋に出会った高野文子さん。
あまりコミックは読まないのですが、出版社のせいもあるのでしょうが、本屋さんでは、コミック売り場じゃなくて、書籍の棚や、文庫本コーナーに交じって置かれています。
 「るきさん」は、読了後に3冊も大人買いしてしまった文庫本。あの人にも、あの人にもと思った本だからです。次に会う時の手土産にしたくなるような何とも言えないいい作品なのです。病気で入院中の友人にも早速届けたいなと思います。私は病気のお見舞いは愉快でセンスのいいコミックが一番と思っています。自分がいただいてすごく嬉しかったからね。

 登場するのは、30歳を少し過ぎた、天然でちょっと浮世離れしたオリーブ(ポパイの恋人の)みたいな細いるきさんと、姉御肌でおしゃれなバリバリキャリアウーマンのえっちゃん。主人公はるきさんなんだけどね、えっちゃんにもシンパシーを感じます。
実は、買ってからすでに4回も読み返しています。極上のユーモアとセンス、色彩。ストーリーを追うだけでなくて、二人の部屋や、セリフにはない動きにも引き付けられてしまうので、4回読んでもまた、開きたくなるのよ。
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 何度も読むから、お寿司屋さんで、テーブルに置いたら、こぼしたお醤油で表紙を汚したわ。ちょっとるきさんっぽいな。

他の作品も気になって高野文子作品を。不思議です。どれもがタッチも作風も全然違うの。すごい作家さんに出会ったわってびっくりです。
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 秋の夜長には、ジャンルを問わず、いろいろな活字を手にしています。
そうそう、面白い雑誌にもであって、これはお仕事用の資料で読みました。感想は、こちらにアップしました。



お暇があれば見てくださいね。


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by yukkescrap | 2016-10-10 21:03 | Comments(2)

山小屋ライブラリー 〜八ヶ岳で読む本〜

八ヶ岳に暮らすようになって、山の本や自然観察の本、野鳥や山野草の図鑑がいっぱい増えています。
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武田百合子の富士日記は、94年ごろ、ピーター・メイルのプロバンス、玉村豊男の軽井沢なども、避暑地の暮らしを体現できるものとして夢中で読んだ蔵書です。
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子どもたちが読んで、楽しんだ福音館の野鳥や植物の絵本。
絵本は森を舞台にしたり、動物を主人公にしたものがいっぱいね。

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森おばけや、つばめ号とアマゾン号などの児童文学。
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白州にできた「どうぶつのおやこ」で、おなじみの薮内正幸美術館へ行ってきました。我が家にやってくる野鳥のポストカードを買い求めてきたよ。
ワクワクしながら読み聞かせた「ガンバとカワウソの冒険」も、薮内さんの絵だったんだ。

八ヶ岳に暮らす人たちのエッセイを、
また、取り出してページをめくって読んでみる。
ちっとも古くなくて、気づかなかった新しい視点での森の発見もいっぱい。

集まってきた蔵書。いつの間にか楽しい山小屋ライブラリーになりました。
本を読んでいたら、あたりが騒がしく、カラ類が群れでやってきましたよ。
シジュウカラ、コゲラ、エナガ、メジロ、ヤマガラ。

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おっと、今年のシジュウカラの幼鳥かな?
果敢に羽を広げて虫に襲いかかってます。地面に降りることなんか少ない野鳥なのにね。
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それを見守る親鳥。
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本の中の自然観察をそのまま体現していて、今日もひとり小さなワクワク。

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by yukkescrap | 2016-08-08 12:49 | 好きな本スクラップ | Comments(0)

伊丹十三の名訳本 「ポテトブック」と「主夫と生活」

 連載のコラムに、読書案内のおすすめ本をと言われて、最近発見してとても気に入った伊丹十三の名訳の復刻本「ポテトブック」をあげた。
コラム記事はこちら→★
 字数制限を間違えてしまって、でもご厚意でそのまアップして下さって。(;'∀')


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 購入した時に、「この本を買った人はこんな本も読んでいます」に、しっかりのせられてしまって、二冊目をポチっとしたのが、同じく伊丹十三翻訳の主夫と生活 My Life as a Househusband

原題は as a Househusbandだから「主夫としての生活」ですけどね。

 書かれたのは、なんと1970年代、今は遠い「ウーマンリブ」全盛の時代で、復刊にあたって「歴史的文書」として読むか「文学作品」といて読まれるべきといいうのが、あとがきにあって思わず苦笑してしまう。
50年近くたっても、主夫はまったくメジャーじゃない日本。アメリカだってどうなんだろうね。
私が知る日本人の専業主夫はたったひとり。それも日本には暮らしていない人。


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 伊丹十三は、そのまま訳したら、ストーリーにもならないので、僕が行間をたくさん埋めていますというようなコメントもあって、だから、文学作品なのだろうね。
 内容はいわずもがなの「家庭の仕事」のつまらなさ、家事なんて終わりのない仕事には価値さえないというとらえ方で、結局、掃除は外注し、洗濯は子どもたちに分担させて、なんとか料理がまとも!できるようになったというたった1年の主夫体験で終わってしまうというダメすぎる内容。
注目産休パパのつるの剛士さんとは、雲泥の差。

 暮らしのきほん、生きていくために必要な暮らしを大切にしたいなんていう考えはみじんもなく、合理的こそ意味があるというアメリカンな主夫なのであった。
だから余計、毎日の朝ドラにあるような「暮らしの楽しさ」や、「暮らしの工夫」やら、「丁寧な暮らし」のその対岸にあって、読んでいて、大いに楽しかったのでした。

 暮らし方は生き方だよねとも。
今は当時よりも豊かになったか?と言えば、夫も家事に参加しないと(妻が働ないと)生活が成り立たないほどになっている日本だもんね。専業主夫だ、専業主婦だと言えるのは、どちらかの稼ぎで家族が暮らせるだけの働きがあるということだしね。そう考えると専業主婦がいっぱいいた時代の方がずっと豊かだったと言えるのではないかしら。

それにしても伊丹十三さんの名訳は本当に愉快で楽しい。
「これを読んだ人は…」で、アマゾンでまた次のポチちないようにしなくちゃ。







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by yukkescrap | 2016-07-15 11:07 | 好きな本スクラップ | Comments(2)

海外に暮らす女たち ~ イタリアからイタリアへ 内田洋子 ~

 東京から戻って、家に帰る前に県立図書館へ。
予約していた本の取り置き期限ぎりぎりで、新刊本の購入希望予約だったから、ぜひともと。
新規に購入して準備いただいたので、大事に読む。しおりもまだクルリっと丸まって挟まっている。
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 どこかの書評で見つけて予約したのだと思うけど、どこでだったのか、どんな書評だったのかはすっかり忘れている。でも予約したからには、きっと何かピンとくるものがあったに違いない。
新鮮な気持ちでページを繰った。

 筆者の奥付をみるとわたしと同じ年齢。
同時代を生きてきたといいうだけで、急に親近感が沸いて、自分の年を重ねながら読み進んでいたよ。

 海外に暮らす女性のこうした随筆を読むたびに、私にはもうそれだけですごく尊敬してしまう。
長いこと夫のお伴で海外に暮らしてはみたけど、そんなお気楽な外国生活とはもちろん天と地。
多くの海外で暮らす日本女性は、まずは語学のスペシャリスト。
外語大のイタリア語出身。ナポリへの留学、そしてイタリアでのビジネス。本当にかっこいいったらないよね。
 イタリアには、須賀敦子さんというすごい人もいるし、塩野七生さんもいる。

 この筆者は、現地のスクープ写真や記事を日本に紹介するビジネスをしている人なのだけど、だからこそ、深く現地のことを知る視点や、経験が広くて、どの章を読んでも、かっこいいなぁとため息ばかり。

 フェラーリの赤色の話、イタリアの南北格差なんていうのも初めて知ったり、船も買って入り江に船を宿にして暮らすくだりの、海の男のボーイフレンドとの交流などは、はぁ~どんなに素敵なんだろうと、自分には絶対できないような経験。
 ラテンの国で思いどうりに物事が進まないようすに、ビジネスも生活もあれば、それはそれは大変であったろうと容易に想像はつくものの、たくましいというか、辛抱強いというか、女性というのは、かくもしなやかに柔軟に生きられるのだなぁとまたまたため息でした。

 それにしても、かっこいい。

 10日ほど前に足の小指にスマホを落として見事に骨折してしまった。
3時間も整形外科で待たされていたあいだに、じっくり読んで、なんどもため息をついてしまったら、隣のおばあさんに覗き込まれてしまったよ。
こういう女性、実は、私の周りにいっぱいいるんです。海外で本当にかっこよく生きている女性たち。

いい本に出会ったというよりも、すごく素敵な女性に出会った気分になりました。


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by yukkescrap | 2016-07-01 18:59 | 好きな本スクラップ | Comments(0)

大人のセンス・オブ・ワンダー磨きの本 ~生物と無生物のあいだ 福岡伸一~

 このところ、いろいろな庭を訪ねたり、森に暮らしたりして、「自然」がとっても近くなったなぁと感じている。
そうなると、読む本も都会的なものや、おしゃれな雑誌やエッセイや小説ではなく、自然への感性を研ぎ澄ますようなものばかりになってくる。
芸術的な自然への感性というよりも、科学的な感性ね。

 そういうのが足りませんから。

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 数年まえにサントリー学芸賞を受賞した福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)」と、福岡伸一さんと大好きな阿川佐和子さんの対談集「センス・オブ・ワンダーを探して ~生命のささやきに耳を澄ます~」を続けて読む。
 日常の関心の大事が、晩ご飯のおかずのことだったり、電車の乗り換え案内の難しさだったり、食材宅配便の申し込みの締切期限程度な私には、
こういう本を読むと、いきなり自分も崇高な洞察力の深い人間になったかのように思えるのが不思議だ。
現に、こうしてブログに読書感想などを書くような時も、ちょっとインテリになった感じがしているという…。

 「生物と無生物…」は、筆者のとても素敵なエッセイストのような導入、ニューヨークやマンハッタンのくだりからの科学の話への展開とか、図書館の野口英世の彫像の例えから、科学的な研究の話へ移っていくので、私のように普段生物とか、科学的な見方なんて全くしないような素人にも、ぐいぐい引き込まれて、
世界が、こんな未知なるものに満ち、生物学ってすごいわって、不思議な世界の扉を新しく開けてくれたような錯覚を起こしてくれる。
錯覚だから、難しい科学の解明とかが、錯覚で理解できたような気持になるということね。なかなか心地よい気分にしてくれる。

 本当にすばらしい表現力の人なのだなぁ、理系の学者さんというと研究一途にと思うけど、大きく広い視野や、文学のふり幅がある人でいいなぁと思ったりしました。

 対談集のほうは、大好きなレイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」を中心に据えて、関連の絵本や書籍の紹介まで丁寧に仕込まれた対談。
石井桃子、フェルメール、須賀敦子、バートン、「飛ぶ教室」「ちいさいおうち」「きことわ」「ドリトル先生」などなど、読書さんぽもかねているような対談集で、私の好きな興味が詰まったような対談集だった。
文中に、僕は「分子生物学者」だけど、もうミクロはとってしまって普通の「生物学者(読み方は、ナチュラリスト)」になるというくだりがあって、
もしかしたら、「普通のおばさん」も志さえ高ければ「普通のおばさん(読み方は、ナチュラリスト)」でもいい気がしてくる。
阿川さんのいつも通りのツッコミの切れ味ももちろんで、一気に読了。

 曇ってしまって、感性のアンテナなどとうに錆びついてしまっていた、おばさんのセンス・オブ・ワンダーが、ちょっとだけ磨かれて、もう一度広がっていくような気分になった二冊。







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by yukkescrap | 2016-06-24 06:47 | 好きな本スクラップ | Comments(0)

珠玉の随筆 串田孫一「記憶の道草」

 本日はいちにち雨読の日。

 長期の連載コラムの仕事が終わったら、また新たに新連載の依頼をいただく。
いつの間にか「書くこと」が仕事になって、あちこちに散文を連載いただいている。

 つい先日「文章がうまいですね。」というお褒めをいただき、お世辞でも素直に嬉しく思っているの。昔駆け出しの頃、編集者さんたちから、真っ赤になって原稿が戻ってくることが多かった時は、本当に苦戦して、折れそうになることもいっぱい。
最近、ようやく赤の入りが減ってきたのは、喜んでいいのか、もう伸びしろがないということか?
誤字脱字、句読点などの文法的なことは、すっかりプロの校正者に任せているからブログの散文をたまに読み返すと、赤面しごく。
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 文章がうまいですねと言われたときに読んでいたのが、串田孫一の「記憶の道草 (銀河叢書)」。
哲学者であり、教育者でもあり、絵も描き(絵本も)、山岳小説というジャンルも打ち立て、ラジオのパーソナリティーでは、30年も自作の詩や朗読などもしていた人だ。

 彼を知ったのは、昨年、小金井市の「はけの径」を散策したとき「はけの径美術館」での「串田孫一展」だった。
その時に知った近著(と、いっても没年後)が、この本で、高価で手がです、じっと図書館の予約順番を待っていた本。

 エッセイ(散文)と随筆の違いを知るとはこういうことだと、どの章を読んでもうならせる名文。
戦前、戦後に生き、学者らしくたくさんの書籍と膨大な日記を関東大震災と、戦時中に消失したため、この随筆は、まさに彼の記憶をたどって書かれたもの。
どれもが宝石のように美しい文体だったので、たぶん、影響を受けやすい私は、すっかり名調子がうつって、いつもよりいい文章が書けたのかもしれない。

 哲学者らしい清貧さ、紳士的なものごとの観方、深い洞察、優しい語り口、山好きらしい自然とのかかわりかたのどれもがとても好ましく、身近にこんなジェントルマンがいたら、きっと大ファンになってしまうであろう人柄にも惹かれる。

 今月出版された新作「緑の色鉛筆」というのも気になる一冊で、早速、図書館予約をしました。
アウトプットには、たくさんのインプットも大事と思うの。

 良い本に出合う読書はまさに心の栄養だなっと思っている。








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by yukkescrap | 2016-06-21 06:09 | 好きな本スクラップ | Comments(2)

若い感性のほとばしる本 「かなわない」と「生まれた時からアルデンテ」

 図書館からいっぺんに予約本が届いて、いつ、なぜこの本を予約したのかさえも忘れていた2冊。
 忘れていた理由は、気になった書評や、誰かのブックレビューの本をいつか読もうと、スマホのアプリ「図書館日和」に全部登録しているからです。

 以前は、読みたい本リストのメモにしていて、しばらくたってから、再考して図書館のWEB検索から予約したりしていたけど、アプリに入れた時点で、設定中の5つの公共図書館(今住んでいるところの県立、市立図書館、東京の在勤地としての武蔵野市、三鷹市、都立図書館)に自動リンクしていて、いづれかの図書館に所蔵があれば、このアプリ経由で予約ができるという便利なもの。
 所蔵があれば、予約順位が50位くらいでも、二か月も待てばどこかの図書館で貸出可能になるのがうれしく、読みはぐれないのです。2年前のメキシコ時代から使っているので、登録している読みたい本は100冊を超えているけど。

 さて、今回手にしたのは、どちらもすごく若い作家。
若いっていうのが、我が子より若い。書店では、きっと奥付のプロフィールを見たところで手にもとらないような。
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 一冊目は、植本一子さんの「かなわない」。
前作も、前々作も読まずにいきなりでしたが、たぶん彼女の本を予約したのは、彼女が撮った家族写真(天然スタジオ)を先にい観ていたからだと思う。才能が有望される写真家さんですが、ブログにつづった赤裸々な私生活を書籍化した一冊。
 子育ての苦労や、子育てにはむかないと思う自分(虐待してしまうのではないかと不安におびえるほどにある意味、まじめ)、震災後に放射能汚染に揺れるた思い。これほどまでに若い子育て世代は、思い悩んでいたのかと、今となっては誰かに助けを求めたいたお母さんはいっぱいいたのだろうということを改めて知ったいい機会。
アダルトチルドレンとしての母親との葛藤、不倫。こんなに赤裸々に自分を見せることができちゃうのかと、時々本を閉じたくなってしまった時も何度かあった。

 わたしは、自分の経験値だけでしか、人生や生き方をなぞれない。
あの素敵な家族写真を撮る人の辛いバックグランドをのぞき見してしまったようで、困惑してしまった。
写真も、本も全力投球、ありのままなんだよね、きっと。それが支持されるんだおもうけど。
苦しいけど、若いっていいなとも思う。彼女の写真が好きです。私はちょっと変わった彼女のファンだど、いつか一子さんがおばあさんになった時のことも知りたい。これはきっとかなわない。

 もう一冊は、平野紗季子さんの「生まれた時からアルデンテ」。

平成生まれのフードライター(フードエッセイスト?肩書がわからないけど)の、食いしん坊のコラム&エッセイ。この世代は、アルデンテも生ハムも生まれた時には日常の食べ物だったわけで。
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面白かったのは、グルメ(美食家)でもなく、いわゆる食通というのでもなく、まったくにおいて「彼女の口」を通過した食べ物を、彼女の感じ方の切り口で、それは豊かに表現していること。

 その切り口が、とっても斬新で、まさに新しいモノの見方で、たぶんこういう平成っ子は、「食」のジャンルだけじゃなくて、いろいろなところにいるのだろう。
彼女の育った「平成の豊かさ」は、ちっとも悪くなく、それがごく普通で、嫌味もない。
 着眼点も素晴らしくて、オブラードのこと、アイスの棒、スーパーマーケットの陳列など、観察力、洞察力にも舌を巻くのでした。

 いつもなら手に取らない若い人の二冊。
久しぶりに、どっぷり読み込んで楽しい読書タイムでした。

 県立図書館は、購入予算がない新刊書がなかったのか、近隣市町村の協力貸出(図書館枠を超えて所蔵のある図書館から取り寄せて貸し出してくれるシステム)までして貸してくれました。
 図書館アプリ、使い方はこちら「図書館日和
ぜひ、あなたのスマホにも!どうぞ。フリー(無料アプリ)ですよん。







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by yukkescrap | 2016-05-25 05:54 | 好きな本スクラップ | Comments(0)

センス磨きと松浦弥太郎のエッセイ

 長年一緒に仕事をしているAさんのインテリアや雑貨のセンスには一目も、二目もおきたくなるのだけれど、彼女とキルトの話をしている時に、「そういえば松浦弥太郎さんが、アメリカでアンティークキルトを見つけたら絶対に買ってしまうって何かに書いていましたよ」と言ったの。

 彼女の読む本もどこかきっぱり芯のある作家の本が多くていつも彼女の家に行くと、こっそり書棚を覗いてしまう。どんな本を読んだらセンスが磨けるのかなって。

 偶然、手にとった移動時間の隙間うめの本。
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松浦弥太郎の本は、彼女が言っていたアメリカンアンティークキルトの話のあるエッセイでした。
新幹線の往路で一冊、帰路で続編を一気読みしました。今一番ハマっている作家さんかも。
折しも、今まさに注目される人だったみたいだし。

 良いものに触れる機会や、情報量が多ければ暮らしは素敵になりそうだけど、浴びたこれらを自分にどう落とし込んで、自分の感性で受け止め、上手なバランスを取って再構築するかが大事だなって思うの。 

 いつもファッションアドバイスをいただいている友人に、
「あなたのロングイヤリングはいつも素敵ね。私もふらっと揺れるロングピアスをつけたいんだけど、私にはどんなボリュームの、どんな長さのものが良いかしらね?」と聞いたら、
 「全体の服のトータルバランスから見なくちゃね。一概には言えないわ。
長いピアスをつけたら全身が見える鏡に身体全体を映してピアスの長さとボリュームのバランスを確認してみて。」と、アドバイスをもらったの。
 身長と私の身幅、髪の長さや顔の大きさ、耳の位置にピアスの長さのバランス!
あんな小さいピアスなのに、身長とのバランスもとるのか!
 そうか、暮らしもファッションもセンスが良いという人は、こういう全体を眺めた時のバランス感覚が優れている人を指すんだなと思ったのよ。

センスが良い=バランスが取れている。

 とっても腑に落ちたアドバイスでした。
色、形、マテリアル、環境…そんなバランスが大事なんだよね。これ食にも通じるわね。
なんだかとっても深いなぁと思いながらも、とっても合点がゆくのです。





by yukkescrap | 2016-04-26 16:18 | 好きな本スクラップ | Comments(0)

「とと姉ちゃん」と「すてきなあなたに」

 NHKの朝の連続テレビ「とと姉ちゃん」を楽しく観ています。
今回の主人公はあの暮らしの手帖社を作った大橋鎮子さんがモデル。

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きっとどこのご家庭にも1冊くらい暮らしの手帖社の家事の本があるのではないかしら?
私は、母が時々買っていた暮らしの手帖の収納や台所の工夫のページを子どもの頃から読んでいたのですが、自分の手元にやってきたのは結婚した時に叔母がお祝いにと手渡してくれた「すてきなあなたに」でした。暮らしの手帖に掲載された大橋鎮子さんの連載エッセイを集めた一冊です。

そのなかの記事でずっと記憶にあったのは、紅茶のページ。
「ポットのためにひと匙、あなたのためにひと匙」とあって、紅茶ポットには人数分プラス一杯追加で茶葉を入れるんだって、この時初めて知ったのでした。
ずっとそうやって紅茶を入れていたのですが、ある時、紅茶専門店(確かマリアージュなんとか)の店員さんに、「どうしてポットのために茶葉を入れるの?どなたが言ったか知りませんが紅茶は人数分の茶葉だけですよ。」って、その時すごく厳しく叱責されてそれ以来、人数分だけにしたのでした。

でもね、ドラマが懐かしくて、この本(上記の写真)買って読んでいたら、まさにその紅茶のエッセイのくだりがのページがでてきてね。わぁ、このページ!覚えてるわぁって。
今、読み返してみたら鎮子さんは、英国のお茶文化を知っていらして、紅茶は必ずお代わりして飲むもの、2杯目は差し湯して飲むものだからとポットの分の茶葉の追加の理由も書かれていました。
ちゃんと理由があるんだ、ポットのために紅茶の茶葉をひと匙の意味。
丁寧に暮らす人ならではの、暮らしへの気くばり。
毎朝仕事場で朝一番に紅茶を淹れていたそうです。

朝のドラマの中でも、毎日の日常を丁寧に大事に暮らすことを「とと」から遺言され、家族を守ることもさることながら、日常を大事に暮らすことへのこだわりが随所に出ているみたいですね。
さすがに時代考証がNHKドラマは、すごい。当時の台所の様子や、衣装の手編みのセーターなんかも楽しい。

今日は亡くなった両親の7回忌でした。
久々に、「すてきなあなたに」を私に贈ってくれた叔母に会い、この話をしたところです。

叔母はお昼を挟んだご法要の前にと、「あなたのお母さんの味で、お稲荷さんよ」と、母のレシピで甘く煮た人参と椎茸と紅生姜が入ったお稲荷さんをたくさん作って持ってきてくれました。

暮らしの始末、綺麗に大切にとっておいたのでしょう、和菓子が入っていたであろう菓子箱に綺麗に並んだお稲荷さんでした。芽吹いたばかりの庭の葉っぱがちょこんとのっているの。
母の味、叔母たちにとっては姉の味を、みんなで味わういいご法要になりました。

長女の母には妹が4人。
法要に来てくれた叔母たちがこうして毎日を大切に丁寧に暮らしている様子に、ちょっと胸を熱くして、背筋がピンとしたのでした。
物の始末が良すぎる私は、もうこの本をずっと前に手放してしまいましたが、また図書館で借りて読んでみようと思っているところです。








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by yukkescrap | 2016-04-13 22:16 | Comments(2)


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by yukkescrap at 07:48
梅のぼたぼた漬けきっとか..
by etigoya13-3 at 22:55
> BBpinevall..
by yukkescrap at 12:57
5キロも走れるなんて、す..
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> love-t_kさん..
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ワクワクしちゃいますよね..
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こんにちは♪ 梅のぽた..
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再度 アマゾンで調べた..
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