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イングリッシュブルーベルの植え付け

 八ヶ岳の南麓に小さなログキャビンを建てたのは夫も私も、まだまだ若い30歳代。
当時はふたりとも人生の長さや、経験なんて意に解さない若造で、森が形成されていく時間に思いを馳せることなどまったくなかったのでした。

 20年前にログキャビンを建てる時、森をよく知る人から
「カラマツの林か?カラマツは根が浅くてね大きくなると寝こそぎたおれるし、葉も綺麗じゃない。老木を切っても松脂が多くてストーブの燃料の薪にさえならなくてね。最初に切ってしまって植樹し直したらどうかな...」
と言われたけれど、大きく茂った木を切って、森が再生される時間には、とうてい想像が及ばないまま。
結局、切らずにそのままにしました。
これが「若いゆえの浅はかさ」なのだなと今になって気がつくのです。

 森や林を育てる長い長い年月やその結果にじっくり思いを馳せて辛抱強く待つ。
そういうことができるようになったのは、ようやく今になって。皮肉にもそうなったころは老いさきは短いのね。

 カラマツは当時で10年目くらい。それから20年たったら本当に、やっかいな森になってしまって、今回の増築に合わせて、敷地内の大木になったカラマツ20本を伐採しました。

 シンボルツリーにヤマボウシを植え、白樺4本を南に、東には、シャラ、シライ、アオダモを植えました。
そして、どんな雑木林にしたいのか?
数十年後に思いを馳せても、今もってイメージは固まらないし、そもそもその時を見届けられるかどうかさえもわかりません。
 それでも、もしかしたら、私の血を受け継いだ小さな誰かが、いつか大きくなった木を見上げてくれるかもしれない。

 家の西には、実生(種から育てること)のエノキが一本残りました。
亡き父が、実から5年をかけて鉢で育て、私たちがインドへ行く前に5本を植え、今そのうちの1本が残っています。15年目ということになりますね。
 この八ヶ岳南麓は、日本の国蝶のオオムラサキがたくさん生息している地域。裏山にはオオムラサキが育つエノキがたくさんあって、毎年ツガイでオオムラサキがやってきては私たちを驚かせてくれていました。
孫たちの喜ぶ姿を見た父が、エノキを植えようと思ったのでしょう。
 細い木ですが見上げるとそこに父がいるような気分になります。

 八ヶ岳在住の有名なガーデナー、ポール・スミザーの本「改訂新版 日陰でよかった! ポール・スミザーのシェードガーデン」を指南書に、この森で、この地域の特性にあった雑木の庭を作れたらいいなと思います。近所にはあの有名な八ヶ岳倶楽部もあって、時々、故・柳生信吾さんがお父様の柳生博さんと一緒に育てた森を観に行ってはお手本にしたり。

 北側には、小さなハーブガーデンを復活させる予定ですが、ここは、たくさんの世話をしなくてもいいようにしておかなければと思っています。だんだんいつか自分が体力的にお世話できなくなった時、困らないようにしようという考えが胸に湧き上がります。
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 まずは、ヤマボウシの根本に、ポールさんのお店で買ったイングリッシュ・ブルーベルを植え付け。
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長いこと放っておいた花壇からは、ムスカリと水仙の球根が出て来たので、株分け。
イングリッシュブルーベルの植え付け_d0348118_1111895.jpg


 ハーブガーデンからウッドデッキに通じるようにアプローチも自作してみました。
イングリッシュブルーベルの植え付け_d0348118_1114282.jpg

いっぺんにあれこれやり過ぎて、ダウンしてしまわないようにと、若かったころとは違う働き方になってきたね。
 うん、これはいいことだと思う。
山の家では、力のいる庭仕事は午前中だけにして、午後はじっくり煮込み料理をしながら本読みをするくらいにしたいと思っています。


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by yukkescrap | 2015-11-04 10:31 | 庭仕事スクラップ | Comments(0)

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