2016年 01月 25日
ビンテージファブリック Feedsackを探しに
その昔、東京駅の丸善の洋書コーナーに張り付いてアメリカンキルトの研究に勤しんでいたころが懐かしい。
妹が大学の卒論でキルトを選んだので、二人そろって没頭していました。
今だったら、このインターネットのおかげで、もっとずっと身近に世界の布や、ビンテージキルトを調べられたであろうにと思います。当時の日本のキルト作家さん(野原チャックさんとか、松浦香苗さんとか)たちは、一様にアメリカが大好きって人が多く、当時からアメリカ映画や雑誌なんかも参考に観ていたに違いありません。
今は世界のキルト作家の作品が、ブログでいっぱい観られちゃうからすごい、すごい。嬉しいね。
先日出かけた東京国際キルトフェスティバル。当時の第一人者と呼ばれる先生方も、相当なご高齢。
会場は、杖を突いているオーバー70の女性がいっぱいでした。でも根強いのね、キルトファン。
三浦百恵さん(山口百恵さん)の作品の前は、いまも人だかりで、いい意味での客寄せになっていました。
もう手芸や針仕事は、すっかりお年寄りの分野とかしている感がぬぐえません。
ただね、20年ぶりにこういう会場に来たけど、新しいものがない!
若い人が、イノベーションをおこしてアートとして発信していくにはちょっとキルトはつまらないのかもしれません。時間をかけて紡いだ多くの作品はどれも年長者のものばかりでしたしね。
さて前置きが長くなったけど、再開するからには、ちょとこだわったスタンスを取りたいと思っています。
ニューヨークに暮らすことになった娘をたずねて昨年、久々アメリカに行ったのもいい刺激でした。
そして再認識したのが、アメリカンビンテージのファブリック。
知る人ぞ、知るFeedsack(フィードサック)という、1930-50年代、恐慌の嵐の中、飼料用やタネ類、穀物、砂糖や小麦を入れて販売していた布袋。
あらい木綿のシーチング生地に、キャンディーカラーのアメリカンカラーがプリントされた布です。
当時、再利用されて、子供服になったりキルトになったり、型紙つきで農婦を魅了し、その後アメリカ中に広がったプリント生地。
そのコレクターさんや、販売店が、吉祥寺周辺に数件あると知り、まずは図書館で資料集め。
キルトフェスティバルにも、たくさん出店されると聞いて買い付けに行ってきたの。
いやぁ~、布選びは本当に楽しい。一日中、東京ドームにいたけどそれでもまだ、まだ。
ざっくりした布目がパッチワークの針のとおりにはピッタリですし、何といっても色の風合いが素敵です。
作品つくりは、このFeedsackの色や、当時の作風にこだわって作っていきたいと思っているの。
先日、ぼそっと布集めしてるとつぶやいたら、古い友人が早速送ってくれました。
これは、70年代に大流行したVIPという布です。懐かしいね。
周りの友人たちから、「施設で母は、もう針をもたないから」とか、「亡くなった母がつないで残したパターンをつなげて今キルティングして完成させてるの」という母娘の布への思いを聴いて、ちょっと感傷的になっちゃったよ。
いただいた布は、大事に作品に使いたいと思います。Nちゃん、Mちゃん、ありがとうね!
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