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森に棲む ~独居の愉しみ~

 好きな作家のひとりメイ・サートンの名著に「独り居の日記」というのがある。
孤高の晩年を綴ったもので、図書館でなんども借りてきては、ときどき拾い読みしている。
なのに、なぜか手元には置きたいとは思わないで図書館に返しては借りてを繰り返している。
アン・モロウ・リンドバーグの「海辺の贈りもの」も同じように、何度も繰り返して読む一冊だ。これは手元に置いてある。
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 どちらも女の独居の深い、深い考察が書かれているのだけど、はたして私には独居をする事などできるのだろうかと思っていた。期限付きの夫の不在や、単身赴任は経験しているものの、「独居」と言うのは「ひとり暮らし」とは違って、人里を離れて、誰ともあわず、自然に感性を開いて瞑想のような日々の暮らしのことを独居というのだろう。
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 少しの食糧とたっぷりの本を携えて、独りで森に棲んでみる六月。
森とは言っても、人里は近い。テレビはないが、携帯電話も圏外ギリギリだけど、かろうじてWifiのフラッグも1本は確保されており、何かの時には連絡の手段もある。
 日中は唄の上手なカッコウやウグイスのシンフォニーが森中に響き、葉を打つ雨の音がパラパラと可愛く響く。それでも夜になるとその静けさと暗い闇は深い森だ。
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 今回は、晴れたら庭仕事を、雨が降ったら読書を。基本、どこにも行かず、誰とも会わない。
自分に課したことは、「日の出とともに起きて、日没とともに寝て、三食をきちんとこしらえて食べる」ことだけ。

 六月の八ヶ岳の森は、夜に雨が降り、昼は日が差してくるという典型的な晴天確率の高い土地らしい梅雨。
どんな日々になるか、独居が愉しみだ。
 
 こんな心境になったのは、いつも忙しそうに暮らしていて、いつかのんびりと自分を振り返りたいと思っていたのに、そういう時間をとってこなかったことへの戒めでもあるの。
 青春、朱夏、白秋、玄冬とあれば、私はすでに「天命を知り働く」白秋を過ぎ、玄冬の「次世代に物ごとを託し退く」期にあたる年齢。いつか歳を取って時間ができたらと言っていたけど、それは今なのじゃないか?と、はたっと気がついたのだ。
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 今、これをしなくて、いつするのかと考えてのことで、山から下りるのはいつでもできると、予定をたてずに過ごしてみたい。







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by yukkescrap | 2016-06-15 19:44 | 八ヶ岳スクラップ | Comments(0)

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