楽しい、楽しい園芸ライフのエッセイ。
ベランダーと、ガーデナーとは違うんだと言ういとうせいこうさん。
いとうさんは、もちろんベランダーなのだ。
広くても、狭くても庭(大地)で植物を育てる人はガーデナー。
マンションやアパートのベランダと室内に限られた空間で、鉢を入れたり、出したり、スペースと常に闘いながら、植物を育てる人がベランダー。これは、そのベランダーの楽しい、楽しい、
ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)
という本。
何度もゲラゲラ笑ってしまって、電車の中で読まないで良かったわ。
きっとね、このベランダに伺ったら、ちっとも綺麗じゃないと思うし、立派な園芸家でもなくて、すぐに枯らしてしまうこともしばしばなのだけど、俺(いとうさん)と、やつら(植物)時に彼女(植物)とのかかわりと、擬人化へのお見立ての表現がとにかく愉快。
ときどき見かける例えが上手なブログの記事に共通する「お見立て」のうまさ。
このエッセイが、毎回オチもあって、うふふという私のツボなのです。
そもそも、本になる前は、ホームページに公開していたブログのような記事だったらしく、これはきっと本で読むよりもリアルタイムに更新されるブログで臨場感を感じながら読みたかったなぁと思う。今はもうホームぺージでは更新されていないそうで、ちょっと残念だわ。
園芸家という以上に、植物に対する真摯な姿勢や、投げやりなお世話の仕方や、観るとどうしても欲しくなる衝動や、水草をかったばかりに起きた理不尽な増え方をするメダカたちの飼育までとにかく、楽しいことこのうえない。
いとうせいこうさん、ほかにも園芸のご本はたくさん書かれている様子で、これからじっくり他の本も読みたいです。
追伸
この原作でNHKは人気ドラマ化して、シリーズ3まであるのです。
本好き、活字好きの夢がしぼむので、ちょっと観たけどやっぱりエッセイの方が面白いです。文脈のイメージがしぼむのよね。

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