ここ数年、憧れていた理想のご夫妻。
丁寧な暮らしを実践されている、津端修一(90歳)・英子さん(87歳)。
建築家のご主人に人生の伴走をする英子さんおふたりの本は、
わたしたちのおふたり様生活が始まった
メキシコ駐在にも持参して、駐在中に何度もページを繰りました。
戦後、都市計画、ニュータウン構想を手掛けた建築家の津端さん。定年後は、ご自身が手掛けた愛知県春日井市高蔵寺ニュータウンに、小さな雑木林を作り、自給自足のセカンドライフを30年、それはそれは丁寧に暮らして実践。
多くの共感を得て、おふたりの書籍はずっとベストセラー。
一昨年の6月、修一さんが亡くなり、一人残られた英子さんはどうされているのかなと、遠く思っていましたが、おととい行った名古屋の丸善に英子さんの新刊「
ふたりからひとり ~ときをためる暮らし それから~」が山積みになっていて、その隣には、おふたりのここ数年の暮らしを追ったドキュメンタリー映画の宣伝が。
東海テレビが製作した「人生フルーツ」。小さなミニシアター系の映画館で、期間も短い上映とあって、翌日には、名古屋市今池の映画館へ足をむけました。シニアのご夫妻がいっぱいで、補助いすや、座椅子、立ち見が出るほどの盛況ぶり。
本で知るおふたりの暮らしが、映像の中では、ひょうひょうと、軽やかに、それはそれは楽しそうに日常を営む様子。
書籍にも登場していたお孫さんの「はなこ」さんに、伝統の大事な味を伝えたくて、小包を作ってはなこさんの昔のベビーカーにのせて宅配便にだす英子さん。
おねだりされた誕生日プレゼントに、建築家らしく、シルバニアのドールハウスを製作する修一さん。
四季折々のキッチンガーデンの様子。ほんとうに、可愛いのだ。
樹木希林さんのナレーションもナイス。
丁寧な暮らしには、不便を楽しむ余裕や、コツコツ大事に時をためるという気の遠くなるようにもみえる日常の積み重ね。
40年目のオーブンや、土鍋の料理方法、キッチンにはいまだにお湯はでず、電子レンジも使わない。
日本の経済成長を支えた戦後世代の定年後の丁寧で優しく、美しい暮らしぶりに、時々笑いが漏れるチャーミングなご様子を、みんなが慈しむように観ていました。
今年の新年は、夫とは、これからの定年後の生活(完全リタイア予定まであと一年となりました)について、あれこれ試案をしていました。そのために、夫はあれこれ本を買い求め研究に余念がありません。(笑)
わたしたち世代も含め、これからの日本人シニアにとって定年退職後をどう過ごすかは、日本人が経験する新しいテーマでしょう。
津端夫妻は、決して相手に何かを求めず、夢や希望に向かってともに人生の伴走者のように、暮らしていたも印象的。
見習いたいのは、とてもチャーミングで可愛いこと。味わい深い丁寧な暮らしを手本にしたくて、また英子さんの新刊を買い求めてきました。
新春から、本当にいい作品の映画にであえてよかったわ。もう一度、夫と一緒に観たいです。
※ 上映館が少ないうえに、公開期間も短いので、お早めに!