お正月に家族が集まったときのほっこりしたお話から。
「かぁーさん、おてんてん取って!」
ケーキを取り分けながら、息子がお嫁ちゃんに「うちではね、台ふきんのことをおてんてんって言うんだよ。
かぁーさんのばぁーちゃんちで、みんなこう呼んでいたんだ。我が家にしか通じない愛称だけどさぁ。」と説明していました。
そして、
「彼女の家にもさぁ、ぴっぴっていう愛称があるんだけど、何だと思う?リモコンのことをぴっぴっていうんだ。」
娘さんだけのおうちには、こんな可愛い言い回しが家族の共通語なのね。
きっとどちらも、小さな子どもが言いはじめた言い回しなのでしょう。
台ふきんがおてんてん、リモコンがぴっぴ。我が家だけに通じる言葉です。
こういうのっていいなぁと思いませんか?
家族のなかの合言葉、きっとどこのご家庭にもこういう愛称のがあるのでしょうね。
娘が、「お母さんたちが帰ってきたら、うちの中がすっかりおばあちゃんちの匂いになってる。」
というので、「えぇ、嫌な匂いがしてるの?」と聞けば、
「うううん、すごく懐かしい、ほっこりする匂い。」との返事。
息子も「僕もそう思った。ねぇーちゃんたちだけが暮らしているときは、こうじゃないのに。これ、うちの匂いだぁ。」と部屋の匂いをクンクンしています。
きっとお節料理のお出しの香りや、お餅を焼く匂い、そしてお仏壇のお線香の香りが入り混じって、懐かしいおばあちゃんちの匂いになっていたのでしょう。
いつもは、煙の出ないお線香なんだけどね。お正月だからとお仏壇には、「沈香」のお線香を用意したのでした。
住まいの匂いには、どこか家族を安心させる穏やかな暮らしの香ですよね。
久々に集まった子どもと、新しい家族が、この匂いや、言い回しを楽しんでくれたらまた嬉しいものです。
だから最近は、使い込んで古くなっていく調度品も、器も、鍋も、なぜだかすごく愛おしいのです。
彼らが時々帰ってきた時に、ちょっとほっとできるように大事にしていきたいなと思う新春でした。

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