亡き父が、いつも私に言ったこと。
「祝い事は前広にせよ。」
日が過ぎてしまってからの祝い事の味気なさといったらないよね。
祝い事はあらかじめ予定がわかっているんだから前広にと。
確かにね。
過ぎてしまった誕生日や記念日のお祝いをいただくのは、なんだか興ざめだものね。
家族の成長のなかでの祝い事もしかりかなと、早めに準備しておいた若さまの初節句のお祝い。ちびっ子がいての祝い事の準備は大変だろうと、こういう時こそが実家の出番ですね。
ささやかだけど、家族の手作りのお祝いです。
ママのご実家のおじいちゃまが、出張先の高知で注文して下さった端午の節句の祝いの旗。
さすが鰹漁船の大漁旗のお国柄らしく、高知地方では、こいのぼりには大きな大漁旗を立てるのだそうで、これを「ふらふのぼり」というのだそうです。
土佐の藩士、坂本龍馬をあしらったお名前入りの大きな「ふらふ」の前で、若さまは終日、こいのぼりを振って、ニコニコとモデルをつとめて大人たちの笑いと喝さいをあびました。
パパの兜は予想どおり、一瞬かぶっただけね。ほっぺがおちそうにプクプクです。
でも陣羽織はお気に召したみたいです。
ばあばは、初節句にも離乳食に腕をふるいました。
鯛の湯引きのお粥、刻みほうれん草と絹ごし豆腐の茶わん蒸し、リンゴと人参の紅白煮、手毬麩のお吸い物。食べることが大好きで、とにかく何でもよく食べる若さま。
今日も残さずにペロリと完食です。
フルーツの大好きな若さまは、きょうがお初のメロンとスイカです。こいのぼり仕立てで。
赤ちゃんの力は本当にすごい。
若さまの成長も願う祝い事にも、まわりをこんなにも幸せにしてくれるのですからね。
元気で大きく育ちますようにと両家のじいじとばあばは、いっぱい笑いながら心から願うのでした。
( 大人のお料理はすっかり撮影するのを忘れちゃったよ。きょうは、若さま主導で! )