梅雨なのに、箪笥をあけて、帯を眺めています。
和服を着たいと思うけど、敷居も高く、何よりお金もかかりそうで、なかなか踏み出せない世界です。
だけどね。
わたしの嫁入り道具の箪笥には、和裁を習っていた20代の頃に、自分で仕立てた着物が、しつけがついたまま眠っているの。
そして、上段の引きだしには、インドで買い求めたサリーで作った帯がぎっしりあるのよね。
あぁ、悩ましい。封印したいけど、怖いもの見たさに引き出しをあけたよ。
先日再会したインド駐在時代の友人や、最近着付け教室に通い始めたという友人との話が、刺激の原因。手元にあった清野恵里子さんの「
きもの熱
」を再読したら、もうぱっちり目覚めた感じ。特に、帯あそびは、私が暮らしたインドネシアのバティックやインドのブロックプリントのアジアの布の帯が中心で、そうだよねぇ。
うちの箪笥にもいっぱいあるんだったと。
何度読んでも清野さんの本は素敵ね。
私もね、そういうわけで、ちょっとひっぱりだした帯で手持ちの帯揚げや帯締めを合わせ遊んでみました。
サリーは、ふりと見頃の模様がつながって違う模様に展開します。
だから見頃とふりで二種の帯ができるんだけど、これを私はリバーシブルで仕立てたの。
それも二部式で。
インド、ベンガル地方のパトラというサリーで。リバーシブルで仕立てました。
ガンジス川の魚、スパイスの石臼、吉兆の亀(ヒンズー教でおめでたい動物)がおられています。
メキシコ駐在中、ウイメンズクラブのパーティーに和服にこの帯で行ったら、インド大使夫人に、「あらぁ、これはわたしの国のテキスタイルですね?」と目ざとく見つけて言ってくださって、びっくりした事があります。
インド人には、懐かしい自国の織物なんですね。
これはオリッサのサリーだけど、何というのか忘れちゃったの。
思い出せない!
これもリバーシブルです。
さくっと着物を着たいから、ほかの帯もこれから時間を見つけて二部式に縫い直す予定です。そして、迷っていても仕方ないので、娘時代の道ゆきも染め直しに出そうと決心。
さてどんなシーンで着物をきるか?
まさか、歌舞伎座だなんて、そんな大それた考えはございません。
デニム(木綿)のきものに、サリーの帯、駒下駄で両国辺りを。
お気軽にお着物を着てお出かけするのは、大相撲の観戦がいいな。
もちろん升席なんかじゃなくて、三階あたりでのんびりですよ。・・・と、夢が膨らみます。
清野恵里子の きものの愉しみ 帯あそび
は、こちら。