大好きなスエーデンの児童文学作家リンドグレーンの映画を観てきました。
久々の神保町の岩波ホールです。
70代以上と思われるシニア層がいっぱい。岩波の根強い映画ファンですね。
わたしが小学校4年生の時、ひどい股関節炎にかかり入院してした時に担任の先生がお見舞いにと持ってきてくれたのがリンドグレーンの「やかまし村の子どもたち」でした。
主人公のリーサと同じ年の私はすっかりこの本に魅入られて、読者の楽しみを知り、その後岩波少年文庫の児童書を読み漁る本好きにしてくれた一冊です。
オッレやブッセ、ピッピやロッタとリンドグレーンの本の子どもたちに感情移入しまくって読んでいました。
子育て中には、やかまし村の子どもたちが映画になって、我が子たちとこの美しい村にどれほどの恋い焦がれたことでしょう。
私のアイデンティティはこのやかまし村の子どもたち、リンドグレーンの本に影響されていると思います。
今日の映画はその世界的に有名な児童文学作家の前半の人生を描いたもの。
一日中「おはよう」と言いたいと思わせる日照時間が少ないスエーデン。
一年中ソーダ水を飲んでいたいと思わせる短い夏のスエーデン。
その重苦しいほどの長い冬にリンドグレーンの人生を重ねているので、映画は暗め。
やかまし村の映画があまりに美しいスエーデンの自然だったので、この冬の描写がリンドグレーンの苦悩を表しているのだろうと思う。
世界の子どもたちを魅了した作家は強くたくましい女性。
ビクトリア・ポターも、ターシャ・チューダーもそうだけど、厳しい時代や環境に生きたからこそ、あれほどに美しく、子どもの気持ちを鷲掴みにするお話が生まれたのだと思うわ。
今回は絵本が好きな人と一緒に行ったので、映画のあともお話が弾む弾む。
ココアを頼んだら、こんなカップで運ばれてきました。
映画に合わせて特設されたリンドグレーンコーナーで作品を手にとって。
多くのリンドグレーンの作品は、大塚勇三訳なのだけど、今回岩波書店から石井登志子訳で挿絵も新しくなって再販されています。
昔の訳と挿絵に慣れ親しんできたので、ばあばには、今ひとつなんだけね。
没後100年として出版されたリンドグレーンの愛蔵版アルバム アストリッド・リンドグレーン 。手にとって眺めてきたよ。(高価すぎてこれは図書館で借りるわ)
私にとっては至福の時間だったリンドグレーンの本読みの子ども時代。
その作家がこんなに波瀾万丈な人生を送り、夫とも早く死別して50年近くの晩年を児童書や平和運動、動物保護運動に捧げていたことも新たに知りました。
またリンドグレーンを再読し、DVDのやかまし村を観たいなぁと思っています。
いい映画だったわぁ〜。