
今年は、妹の嫁ぎ先に喪中があって妹との年始のご挨拶は無し。
丁寧な料理をする妹は毎年、亡き父が好きだったおせち料理のひとつ「八つ頭の白煮」を煮て元旦のお仏壇にお供えしてくれるのですが、今年は私が煮てお供えしました。
旬の食べ物、愛情、文化、知識...。家庭で楽しむ年中行事にはこうした養分がたくさん含まれている気がします。
食や暮らしの設えは思い出も作ります。そして、毎年その季節を迎えるたび、そうしたものがまるで「想いでスイッチ」のように押され家族に幸せの記憶がよみがえり、家族の絆にあらためて気づいたり、風情を解する心に繋がる気がします。
こうしたことは、自分だけではなく次世代を育てる養分にもなるわけですから、年中行事を大事にしたいと思うようになりました。
亡き父が、二十四節気の暦にこだわりお正月をはじめ節句やお彼岸、お盆、旬の食べ物や植物の移ろいを大事に心に留めて、私の中にたくさんの想いでスイッチを残してくれたことに感謝しています。海外に暮らした時も心に留めてきたことでした。
(一夜飾りはさけてとか、祝い事は前ひろに準備せよとか...いっぱいあります。)
きっと皆さんにもそういう想いでを呼び起こすスイッチがあることでしょう。
ばあばになって家族や親しい人に、食の記憶や暮らしのしつらえで想いでスイッチをたくさん残したいとおもいます。
元旦の想いでスイッチは、八つ頭の白煮です。
そしてもう一つ。
白味噌の京風のお雑煮。
西京味噌が京都の白味噌なのでなく、麹の多い生味噌の白味噌だと知った去年。
京都の錦市場はじめてそれを知り冷凍保存していたもので白味噌のお雑煮。
京都のおばんざいを作る大原千鶴さんのレシピで昆布出汁で。
今年初めて我が家の食卓にのせたよ。
初孫の若さまは美味しかったとみえてごくごく飲んでいました。
こういう記憶のひとつひとつが想いでスイッチになっていくのだなと実感した日でもあります。若さま、来年もばあばは作ってあげるね。