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宮本輝のきゅうりのサンドイッチ



テレビの美味しい料理番組をみて食べたいなぁ〜って思うことはあまりないんだけどね。
小説に登場する想像力を掻き立てられる描写のお料理は、すごく食べたくなる。

きっと脳の奥深いところに味覚を想像する何かがあって、刺激をもらうから、視覚以上に、想像の味覚が活発になるのかもしれません。

宮本輝の小説「水のかたち」には、たくさんの美味しい料理の描写があるのです。
元料亭の板前さんだったお爺さんが孫に送ってくる素晴らしい料理をはじめ、作家のグルメぶりも伺えるようなお話。
でもそういうご馳走よりもそそられたのが、きゅうりのサンドイッチ。
主人公のごく普通の主婦が、丁寧にきゅうりを刻み塩揉みして、夫にもぎゅーっと塩揉みさせて、バターと薄く塗ったマヨネーズだけの味付けで作るサンドイッチ。
イギリスのアフタヌーンティーのきゅうりのサンドイッチが根底にあるみたいで、そういう描写もあるのね。

ネットをググったら、私だけじゃなくて、この小説を読んだ多くの人が、このシンプルなんだけど美味しいというきゅうりのサンドイッチが食べたくなって再現を試みているの。我が家の夫もそのひとり。読了後、「ぜひ作ってみようよぉ、きゅうりのサンドイッチ」と言います。

そこで今年になって何度か試作中なんですが。
1回目、うーんちょっと違う気がする。
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2回目、美味しいさはわかるけど、きっときゅうりはこんなごちゃごちゃしないような気がする。
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3回目。
もう一度小説の記述を確認して、種を抜き、薄く切り、塩をして揉み、ぎゅーっと水を切り、一晩冷蔵庫で寝かし、またぎゅーっと絞って。
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バターと薄く塗ったマヨネーズ。パンの厚さくらいにきゅうりをのせて。
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うーん。悩むなぁ。味も美味しいけどなんだか違う気もするの。
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アフタヌーンティーのサンドイッチが元なら、こんな感じになるはず。
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これはカフェのきゅうりのサンドイッチ。塩とワインビネガーで味付けした美しいサンドイッチ。

私のは、グリーンが多い気がするの。
まだまだ試作が続くわ。

宮本輝さん、どこかテレビ番組で再現してくれないかな?
映画化が待たれるわ〜。


Commented by toridorinikki at 2020-02-06 17:05
はじめまして、こんにちはー^^
私も宮本輝さんの水のかたちを読んで、このきゅうりのサンドイッチ作ってみましたよ(*^▽^*)
塩加減が難しい気がしましたが、シンプルに薄切りにして塩もみして一晩おいて、ぎゅーっと絞っただけでした。作品ではマヨネーズも入れないんですよねー。数年前の夏に作ったのですが、結構おいしくできたような記憶があります!でも、たまに塩が多すぎて塩辛くなってしまうこともありました(^◇^;)
Commented by yukkescrap at 2020-02-06 20:47
> toridorinikkiさん

コメントありがとうございます。
あぁ、やっぱりこの小説読むと食べてみたくなりますよね。

そっか、マヨネーズは使わないのね。
何度か小説にきゅうりのサンドイッチが出てきて、バターに薄くマヨネーズを塗るという記述もあって、3回目はマヨネーズをぬってみたのです。
タネも取るっていうので、タネをとったら身がなくなってしまうしね。

塩加減も難しいですね。
1回目は少なめに、絞って味見してから2度目にまた加減してお塩足してます。

まだまだ試作続きそうです。

Commented by etigoya13-3 at 2020-02-06 21:33
わかります。
読んでいて作りたく、食べたくなるっていうことありますね。
私の場合料理番組で見ても作りたくなることはありますが、本(文字)からで頭に浮かび上がる料理は定番化することが多いなと思います。
きゅうりのサンドイッチ食べたくなってきましたが、きゅうりの美味しい季節までに「これだ!」という作り方が見つかるといいですね。
Commented by yukkescrap at 2020-02-07 05:50
> etigoya13-3さん

お久しぶりです。
いろいろ作って食べてみて、自分はパリパリ感が残るほうが好きで、
皮なしのほうが好きだと思うようになりましたよー。

カフェのアフタヌーンティーのきゅうりのサンドイッチが一番美味しい気がするの。
きゅうりの季節が待ちどおしいです。
Commented by yamamotoyk at 2020-02-08 16:55
いつも素敵なお料理、楽しく拝見しています。
今回、カフェのサンドイッチの写真を見て、
種を取るという記述と
緑が少ない、と言うことから、
太めのキュウリ(やや過熟?)を使い、
タネと共に皮も一部剥いてあるのではないかと、
そう思ったのですが、いかがでしょうか?
Commented by yukkescrap at 2020-02-09 08:30
> yamamotoykさん

そうなんですよね。
本を読んだイメージでは、濃い緑ではない気がするんです。
きっと太めで、皮なしでしょうね。

今思えば、日本の緑のきゅうりって、世界的には少なくて、
キューカンバといえば薄緑な気がしてます。

味覚と色彩の想像の世界の味。
探求が深まって楽しいです。
by yukkescrap | 2020-02-06 12:56 | お料理スクラップ | Comments(6)

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