2020年 08月 13日
森で読む本 平野恵理子「五十八歳、山の家には猫と暮らす」
山の家には、八ヶ岳に関するエッセイや本の本棚があって、今日は、あまりに増えた本を間引き、夫が古い本棚を修理してくれました。

森に来ると、やっぱり森や山や八ヶ岳の本ばかり再読で読んでいます。

今日は、昨年出版された平野恵理子さんの「五十八歳、山の家で猫と暮らす」(AKISOBO)という一冊。

Amazonでググっていて見つけた八ヶ岳南麓の生活の本と知り購入。
この周辺に暮らす著名人の本や、別荘族の移住のエッセイはいっぱいあるんだけど、まぁどれも似たり寄ったりで、読んでいて新しいことを知る訳でもなく、個人の感想を聞いたところで面白いものは少ない。
武田百合子の富士日記みたいなわけにはなかなかね。
さて、イラストレーターでエッセイストの筆者のこの八ヶ岳の暮らし。亡きお母さまが残した別荘に移住してのお話で、筆者自身も子供時代からこの土地での暮らしはあり、特に目新しいことはないんだけどね。
独身の彼女がお母さんをなくした喪失感から、どうやって抜け出ていくかということが、一人森の家に孤独に身をおき、メイサートンのように、本当の意味での独り立ちへの日々が、とっても正直に書かれていて、グッと来るものがありました。
何年か前の母を見送った自分に重ねて読んだりもしました。
私はやはり母を亡くしたとき、単身赴任していた夫のいるメキシコに逃げるように渡って、哀しみを乗り越えたことがあるからね。
八ヶ岳の山の家の暮らしよりも、哀しみを乗り越えていくその様子の方に強く惹かれた本でした。
どうやらすごくご近所らしい。
車のない暮らしだから、私よりずっと厳しいけど、私のメキシコ在住時も外出の足がなくて篭って暮らしていたなとこれまた、じっと内省して生きる様子にも、今のコロナ禍が重なりました。
いつもは、夜寝る前に1時間ほどベッドで読書が習慣ですが、山に来ると身体もいい具合に疲れるらしく、ベッドに入るとすぐ寝落ち。この本は日中に読んでいました。
森からのヒンヤリ冷たい風が、気持ちいい昼下がりの本読みです。
昨日の父の記念樹やら、母のことやら、やっぱりお盆になると故人を偲ぶ思いが蘇るのかな。
先日同じ本を買いました!
時間待ちの本屋さんで手に取りそのまま購入。
回し読みしてもらおうと思っていたところでした^^
「八ヶ岳」というワードについ反応してしまいます。
わぁ!いつも一緒で嬉しいわー。
車なしの森暮らし、私もつい数年前までしたけど、今は絶対無理なのだ。
すごいなぁって思ってる。お買い物どうしてるのかなって心配しちゃったよ。