今週の農業体験教室は、いよいよトマト苗の植え付けです。
トマトの苗には2種類あって、種をポット蒔きして苗にしたものと、接ぎ木で丈夫に育てたものがあるって初めて知りました。

お安い苗はポットに蒔いた種の苗で、だいたいその3倍くらいの価格の接ぎ木の苗は、病原菌に強いトマト苗に、実なりの良い品種の苗を接ぎ木してあって丈夫で収穫量も多いというもの。まさに農のバイオテクノロジーですね。
接ぎ木の部分が土に埋まるとそこから根がでてせっかくの病原菌に強い根っこが無駄になるので、接ぎ木の部分が土に埋もれないように気をつけながら。
そしてトマトは水が多いと甘さが減るのでドライな環境が好きらしい。
原産地や、たくさん収穫されるイタリアやインド、中南米の気候を考えれば納得ね。
苗の植え付け以上に大変だったのが、支柱の組み立て。

台風が来ても、豊作で実なりが多くて重くなっても大丈夫な支柱の組み方。
こういうコツも知ると知らないでは大きな差が出ます。

苗に添え木の支柱も立てますが、斜めの理由(根を傷つけない)とか、
苗に優しく、支柱に厳しい麻縄の結びかたとかを丁寧に習ってね。
農業というのは、収穫が1年に一度のものが多いから、経験値から次回の改良や、研鑽を積むまで大変な時間がかかりますね。
1日に10個ケーキを焼いて経験値を積むのと、
年に一度収穫してイチゴの出来を比べて経験値を増やすのとは大違い。
だからこそ、農業はずっと世襲で大事に土地を守り、親から子へとその土地での経験値を伝えてきたんだなと思いをめぐらせたりしました。
まぁ、私たちが育てる苗にはそんな心配がないほどに品種改良も進んで環境も整った状態からのスタートですけどね。
じいじとばあばになると、農業体験教室も、さまざまな角度から味わうことができます。
若い頃なら、農業の経験値になんか思いを馳せなかったでしょうし、昔、暮らした野菜の原産地の気候と生育の環境の比較なんてことに面白みを見いだしたりはしなかったでしょう。年をとってからの学びには、意外と深い考察が伴うなぁとか、トマト苗をはさんで、2人で話したりしています。
今回は、農業体験教室のために、東京に一旦戻り、自宅の郵便物を確認して、夕方また八ヶ岳に戻りました。
ひさびさに忙しいシニア夫婦です。