昨年の秋に図書館予約をして250人待ちだった小川糸の「
とわの庭」。
ようやく順番が来て借りられました。
わたしは努めてベストセラーは買わないタイプなのですよ。

前回林真理子の「
小説8050」を読んで子育て、子どもの自立に唸ってしまったんだけど、今度は虐待が小説のベース。どちらも現代の大きな社会問題となっているテーマ。
小説の前半は、あまりの辛さに読むのをやめようかと思ったのだけど、少女が最悪の環境から抜け出して自立していく後半は、なんとも言えない勇気と希望がみえてホッとしながら読みました。
視覚障害という少女のみずみずしいしいまでの嗅覚と聴覚の描写が、庭を通して描かれて小説の舞台を鮮やかにしています。
盲目の少女なれど、読書の記憶と、読書欲が彼女を支えているという設定もすごく良かった。
お話には、救いがあってよかった。
そして取り巻く人たちの優しさがあって良かったと胸をなでおろした読後感でした。
1日で一気読みしたよ。
早く返却しないとね。