最近読んだ本シリーズ。
わたしは、かなりの活字中毒で、読むものがないと落ちつきません。
旅にも入院にも必ず本があるの。そして読みものの傾向も数年ごとに変化しています。
中国の小説にハマった30歳代、イギリスの児童文学ばっかり読んでいた40歳代、
その後は、中南米の作品群や、東南アジアのコアな作品とか傾向が偏ってるんですけどね。合間に、話題の本や、趣味の本などが混じります。流行作家ものや、ベストセラーはあまり読まないのね。(天邪鬼なんです)
コロナ禍になって、おうち時間の読書は、すっかり江戸時代にタイムスリップしています。
江戸時代の町民の暮らしを舞台にした時代小説にハマって、ここ3年で50冊くらい読んでいます。でもお武家様ものと、捕物(チャンバラ)はないけどね。宮部みゆきとかの、怖いのもなしです。
そして最近夢中になって読んでいるのが、直木賞作家の朝井まかて作品。
江戸時代の小説には、家康が愛してやまない「万年青 オモト」の品評会や、吉原の桜の花魁道中がよく出てきましすね。
今回は、江戸時代の園芸の話ばっかりを立て続けに。
「
花競べ 向嶋なずな屋繁盛記 (講談社文庫)」などは、筋書きの構想から、細かな植木のようす、種苗や、苗木、種の掛け合わせの妙、盆栽コンテストなど、ネタのうまさにグイグイっと引き込まれて1日で読了。染井吉野がうまれた時代のいい話です。もう早く読みすぎてもったいない!
今で言うところの雑木のナチュラルガーデンと、競い合うオープンガーデンがメイン。
武家屋敷の庭よりも庶民の雑木の庭ってあたりが、とっても良いのよね。
てんぽの良さに、これまたグイグイっと。
ついに江戸時代の地図まで参考に引っ張り出してました。
現代の地図と対照になっていて、深川から
亀戸天神あたりとか、神田川と隅田川の猪牙舟の様子とかも良く分かるのですよ。
自然を制覇しようとするヨーロッパの思想と、自然と調和して共存しようとする日本人の思想の違いが後半から際立っていきます。
シーボルトはプラントハンターだったんだわねという事にも気がついたりして。
ほんと朝井まかてさん、すごいです。
すでにこれらの作品が書かれたのが10年ほど前だから、どこの図書館にも在庫があると思います。きっとすぐに借りられますよ。
以下は、江戸時代小説の変遷の覚書として。
最初にハマったのが、
◼️ 江戸時代小説 お料理編
高田郁の「みおつくし料理帖」の10巻に始まり、
坂井希久子の「居酒屋ぜんや」の10巻、
他多数の江戸料理を題材にしたもの。
居酒屋ぜんやは、SOHOの起業コンサル話も散りばめられています。
◼️江戸時代小説 着物編
高田郁の「商い世傳金と銀」の10巻、
中島要の「着物始末暦」5巻(まだ続く)
では、江戸時代のファッション事情と太物屋(木綿を扱う呉服屋)の経営企画もの。
◼️江戸時代小説 捕物
町名主の岡っ引きもの (奉行所ものではない)
畠中恵の「まんまごと」シリーズ(まだ4巻目まで)
ここにも万年青(オモト)の話が出てきます。
そしてついに江戸時代小説のネタが尽きたか?
という時に出会ったのが、
◼️江戸時代小説 職人小説
知野みさき 「江戸は浅草」3巻
知野みさきの神田職人 えにし譚シリーズや、上絵師 律の似顔絵帖シリーズ。
呉服屋や、お茶屋、薬問屋やのご隠居が毎回登場しながら、粋な江戸っ子たちと繰り広げるお話が大好きなの。
そして今回の江戸時代のガーデニング職人小説とあいなりました。
ご隠居さんとか、名主とか、差配とか、
番頭、手代、丁稚とか、
猪牙舟(ちょきぶね、隅田川や神田川の移動手段、籠より早い)とか、棒手振り(ぼてふり季節の雑貨を売り歩く物売り)とか、
中(吉原)や、品川宿、待ち合い茶屋や、出会い茶屋の舞台設定まで超詳しくなっています。
時間については、日本時計協会のこんなキッズ用の江戸の時刻を解説したサイトで確認してます。(笑)
もう図書館予約が楽しくて、ほぼ毎日借りに行ってるの。
まだ最後にと、和田はつ子、諸田玲子、北原亞以子…。
ばあばはとうぶん退屈しませんね。
江戸の料理、着物、職人工芸に園芸、ほんと楽しいです。