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読んだ本 宮崎かづゑ「長い道」

なぜ、いつ、この本を読みたい本リストに加えたのかを全く思い出せないままですが、図書館予約で手元にきた宮崎かづゑさんの「長い道」を丁寧に読みました。
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私がハンセン病について知ったのは、精神科医の神谷美恵子さんの作品集「こころの旅 (神谷美恵子コレクション)」や「生きがいについて (神谷美恵子コレクション)」を読んだ時だったと思います。
まだ20代の若かったころの私が、絶望のどん底にいながらも生きることの意味や尊さ、心のありかたについて深く考えさせられた時でもありました。
神谷美恵子作品集は、上皇后さまや紀子妃殿下の愛読書なのだ後とで知りました。

宮崎かづゑさんの「長い道」は、日本で最初にできた瀬戸内海にある岡山県の長島のハンセン病療養所に生きるひとりの女性のエッセイ。
わずか10才で親元から引き離され、ひどい後遺症に苦しみながらも家事と読書を楽しみ、日々慈しみながら暮らす作者のエッセイは、心底、美しい調べのようでした。

幼少期に両親や祖父母から受けた愛情たっぷりの暮らしを心の糧に、深い読書週間で広い世界に心を解き放し、夫のために食事作りに励み、ミシンで手作りも。晩年は後見人を引き受けた親友の患者を、毎日丁寧に作った滋養のあるスープで見舞う。

あとがきに療養所の医師の奥付があって、
時に一般の入院患者は、病院食の「治療食」に疲れ、「退院したら美味しいものを食べようね」というけれど、療養所の食事はもっと踏み込んだもので個人の好みや嗜好にも寄り添うものであるけど、愛情のこもった家族の料理こそがなによりも患者を支えることを実感したとありました。
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両手の指先を失いながら、家族のために毎日作ったスープのレシピはテレビで観た辰巳芳子さんの命のスープだったらしく。その後作者と辰巳さんにも交流がはじまりまり、その一部の対談があとがきににありました。

日本の汚辱とも言えるハンセン病の隔離法がなくなったのはつい先日。
今も療養所に暮らす高齢(平均年齢は90歳に近い)の元患者(全てのハンセン病患者は完治している)は、その後の後遺症に苦しみながらも、こんなに美しく生きていることに改めて感動した一冊でした。




by yukkescrap | 2021-11-22 08:56 | 好きな本スクラップ | Comments(0)

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