数日前から山の家です。
豆たんぐり(孫たち)台風一過後、ようやく日常の体制になってきました。
途中で義母の治療の付き添いと、実家の片づけをして八ヶ岳の山の家に戻ってきたよ。
たった1週間のお留守の間に、蕗の薹はすっかり花が咲き切って。
でも森の木立はまだ木の芽も芽ぶかずと思っていたら一夜で森が様変わりです。
黄色の葉っぱの芽吹きかな、マユミは芽吹きが早いねと話していたら、なんとブルーベリーほどのまん丸の花が咲いているじゃありませんか。
ちょっとミモザみたいですね。
あれれ、この森の低木の株立ちの木々はマユミじゃなかったかな?
以前、伐採した時に信州大学の林業科の大先生にこの低木はなんですか?と聞いたらマユミですよと言われて疑いもなくずっとマユミと思っていたの。枝も弓のように良くしなるしね。
でもおかしい?マユミの花じゃないよね。マユミの花は白くて線香花火みたいな弾けた花ですから。
たぶんマユミもあったのでしょうけど(大先生が間違えるはずはなく)、私が聞いた低木がマユミで、ほかの低木も全部マユミと思っていたのでしょう。
樹木図鑑を調べまくるとね。
春の森の似た花には、ダンコウバイと、サンシュユ、アブラチャンが出てきました。
サンシュユならば花はもっと弾けた感じミズキ科。
ならばダンコウバイか、アブラチャン。
どちらもクスノキ科クロモジ属の落葉低木。
剪定や伐採をするとスカッとした樟脳のような香りがする木なの。クスノキみたいな感じだなといつも思っていたんです。あの香りの理由がわかりました。
違いは花の付け根に柄があるかどうか?
柄があればアブラチャン、柄がなくて花が枝に直接ついていればダンコウバイ。
上の写真の花からわかるかな?花に柄があって枝についています。
アブラチャンでした。
プライベートせせらぎへのアプローチにはアブラチャンがいっぱい。
森の大きな木のしたを埋めている低木にいっぱい淡い黄色の花が咲いて、雨に打たれて金色のビーズのようになってぐるりと家の周囲の森は、それはそれは美しい春の森です。
まだどの木にも葉っぱの芽吹きがないのに、それに先駆けて黄色く染まる森。
美しい株立ちの姿(左のアブラチャン)
このようす、まさに森が笑うですね。
俳句の春の季語は「山笑う」という芽吹きの森の様を言うんだものね。
ちなみに、夏の山の「山滴る」、秋の山の「山装ふ」、冬の山は「山眠る」という季語があって、日本人らしい自然への感性だなぁと感心してしまいますね。
きょうも雨にけぶる森ですが、30年も通っている森なのに、この一瞬に立ち会う機会って初めてで、ちょっと感動の春の山笑うです。