読書家の知人の薦めで手に取りました。
読後感がすごく良くて思わず誰かに本を紹介したくなったと言われて。
9人の女流作家たちの父と娘の関係。
置かれた場所で咲きなさいの修道女渡辺和子。幼き日、目の前で226事件で父が惨殺されたことは知っていたけど、掘り起こされてこなかった父への想いと人生を決める覚悟にはすごく感動してしまったよ。
立派な父も、そうでない父も、愛情深い父も情けない父も、強い父も弱い父もいてそれらが作家と言う書く事、表現することを生業とした娘たちにどう関わっているのか?
女流作家という土壌を育む父たちの生きざまと、それを肥やしに書く娘たちの葛藤を丁寧にドキュメンタリーとして取材してある秀逸の本。
色々な父と娘のお話の中で、私は最後に登場した石牟礼道子の父が、自分の父と重なって読みました。生きていたら聞いてみたいことあったなぁと考えたりもしました。
誰もが感じる父へのさまざまな思い。父の多くを例え知らなくとも、きっと自分のなかに知らず知らず繋がって受け継がれているものがあるのだろうと。
図書館で借りたら、たくさんの新聞の書評に取り上げられた印があって。
良いご本でした。
同じ傾向の本ばかり多読していると脳が活性化しないと言われたので、素敵な本当の出会い。たまには刺激的で、ものごとを違う方向から見たり感じたりできるの本を手に取るのも大事と思ったよ。