昨年、NHKの100de名著に登場したドリトル先生航海記と福岡伸一博士。
わたしが岩波少年文庫の名著、井伏鱒二訳の「
ドリトル先生アフリカゆき」を読んだのは小学5年生。夏休みの課題図書で手に取り、読書感想文を書いたらコンクールで入賞した思い出の一冊です。ドリトル先生シリーズも何冊か持っていたはずですが、ここに登場する架空の動物オシツオサレツがどうしても気味悪くてね。
わたしは特別生き物が好きというわけではなかったので、福岡少年のようにどハマりはしませんでした。
だけどこの本は子どもたちが小さかった時に、2段ベッドの端っこに座ってこのシリーズを読み聞かせもしたこともあります。子どもの頃と母親になってからの2回読んでいます。
するとね、そこに福岡博士の熱い熱いドリトル先生への想いが語られていて。
わたしはシリーズ最初の「アフリカ行き」から読みましたが、福岡博士は「ドリトル先生航海記」から手に取っているんですね。航海記からは、ドリトル先生の助手になったスタビンズ君の語りでお話が進むので、少年目線でドリトル先生を語る流れが、お話にグッと引き込むのでしょうね。
NHKのテキストにも詳しく語られていますが、ドリトル先生シリーズは、今から100年前第一次世界大戦に参戦していたロフティングが子どもに書き送った物語が元になっています。アーサーランサムや、リンドグレーンのように我が子のために作られた児童文学の傑作なの。
ただ岩波の翻訳は、井伏鱒二大先生のちょっと古すぎる語り口。
ドリトル先生は自分のことを「わし」と言うし、名訳過ぎて子どもにはちょっと辛いの。
他にも色々な出版社から色々な新しい訳や、ダイジェストにした物語があるんですけどね。
もちろん素晴らしい児童文学なので映画にもなっていて、ミュージカル仕立てやコメディ俳優のエディーマーフィーが主人公のものもでてますから、いろいろなドリトル先生を楽しめるんです。でも児童書に関しては誕生100年にして日本でいちばん読まれているんですって。
誰もが一度は聞いたことのある名前だものね。
テキストの解説にはドリトル先生の名前の由来や、オシツオサレツの原名もあって。妙に納得したりしました。
前書きがうーんと長くなりましたが、そんな福岡博士が、新しく翻訳した「
ドリトル先生航海記」を手に取ったら、もうすごく楽しくて楽しくて。わたしは子どもの頃にもこんなにワクワク読んだのでしょうか?ドラえもんの冒険みたいなたまらない高揚感でテンポもスムースに一気読みしました。
人間にも動物にも植物にも分け隔てしない誠実なジェントルマンのドリトル先生。
奇想天外なユーモアあふれるお話の中に、人類と自然との共存への畏敬、好奇心、冒険心、想像力、知恵と勇気、生きるために大切さが盛り込まれていてね。
そこには、欧米の国が植民地争いをしている頃のお話や、領有権のこと、ダーウィンがビーグル号に乗ってガラパゴスでドリトル先生と話したり、福岡先生が大好きなフェルメールが登場したり、昆虫少年の福岡少年ならではのファーブルの事、ドラえもんの代わりにたくさんの動物たちがウルトラマジックを使ってドリトル先生の危機を乗り越えるお話が盛りだくさんで、もうワクワクの3乗くらいの楽しさでした。わたしは1日で一気読みしてしまいました。
わたしもすっかりドリトル熱にかかって、DVDも買い込んで色々な角度から楽しんでいます。
こういう楽しい本に出会うとね、いろいろな人におすすめしたくなっちゃうのよ。
まずは孫たちに読み聞かせしてあげたいです。
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